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第27回読書会報告

日時:2015年7月21日(火)19:00-21:00
場所:銀座区民館
課題図書:破綻する特許(ベッセン&モイラー) 第2章&第3章
参加者:tparkmさん (発表者)、furyoshainさん、shun5_fさん、tanatos0307さん、KMDさん、rienovaさん、amulet(記録)

以下、当日配られたレジメ以外の話題

[第2章]
1 土地と特許権との対比
本書では、土地の財産権と特許権とを対比して論じることが多い。
土地の最初の権利者の存在が無視されている点は、気になる。
日本では土地の境界の争いは多い。米国では土地が広いので争いが少ないのか?


2 米国の侵害訴訟
(1) 3倍賠償
実際に3倍賠償が認められた事例は少ない。
認められた事例は、共同開発後ライセンスを拒否した事例等である。
故意侵害の立証責任は特許権者側にあり、共同開発のような前提条件が無い場合には立証は難しい。

(2) 流通業者、消費者等を被告にする事例
スーパーマーケット等の流通業者が被告になる事例は多い。
製造業者が被告として対応する旨を申し出れば、流通業者は簡単に被告から外される。


3 財産権の細分化
(1) 特許権の場合
分割と共有の2通りの細分化がある。
たとえば、1件の出願を20件以上に分割した事例がある。
トロールの場合、特許群の一部を他のトロールに売る場合がある。
→ 侵害訴訟の件数が増えて、対応が面倒になる。

(2) 土地の場合
上空300m以上および地下40m以下(大深度地下)には土地所有権は及ばない。
セットバック:公道に面した一定幅に建物を建てる事を禁止する。


[第3章]
4 ポラロイドvs. コダック
(1) 対象特許は20件強。「特許の藪」の状態では無かった。
(2) コダックにとっては、9億ドルの賠償以上に製造設備の廃棄・事業撤退によるダメージが大きかったと思われる。
(3) コダックは、非侵害の自信を持っていたが、せめてセカンドオピニオンを取っていれば事態は違っていたと思われる。
(4) 現在コダックは倒産後の再建中。一方、ポラロイドも倒産後、商標権のライセンス会社になっている。

5 ブラックベリー vs. RIM
(1) RIMは全く特許調査をしていない会社だったらしい。そのため、あちこちに特許侵害の賠償金を支払っている。

6 特許のクリアランス調査
(1) いくら一生懸命調査をしても、「100%安全」という結論は出せず、 「調べた範囲では無かった」としかいえない。調査コストとリスクのバランス判断が必要になる。
(2) 昨今の侵害訴訟では、そもそも調査を行おうとすら思わなかったような異分野の特許が使われる場合が多い。

7 著作権
(1) 米国では、著作物を出版する際に、全ての著作権を出版社に譲渡する。出版権のみを譲渡する日本とは、著作権の取り扱いの仕組みが異なる。

8 標準化
(1) 昨今では、標準化団体を抜けた後も、FRAND条項は有効という契約書が一般的なので、ラムバス事件のような事態は発生しない。

9 特許ライセンス
(1) 事前に特許権者にライセンスを申し込むケースは極めて少ない。

10 AIA後(本書執筆後)の状況
(1) IPRが受理された場合には、特許の8割が無効になっている。
(2) トロールによる訴訟の場合は、IPRが受理された時点で和解になる場合が多い。そこで和解するか、あくまでも戦うかは、被告側の判断。訴訟を継続するよりも低廉な金額での和解を、トロール側が申し出る場合がある。
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