第49回読書会レポート



第49回知財系読書会 (5/11)
日時:2019年5月11日(土) 13:00-15:00
場所:京橋プラザ区民館
課題図書:新井信昭
     「iPod特許侵害訴訟ーアップルから3.3億円を勝ち取った個人発明家ー
https://www.amazon.co.jp/dp/B07J66FCJP/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_xdQ5CbWQEG2DV


1.発明家、齋藤氏の経歴を追う
  ・齋藤氏の生まれた1950年~60年代はレゴなどの知育おもちゃの創成期。
  ・豊沢豊雄氏(発明学会)の功績は大きいと思う。
  ・学習雑誌に発明コーナーがあって、発明を募集していた。
   他にも「発明創意工夫展」などがあった。
  ・大学卒業後、1984年に創業。当時IT産業花盛り。
  ・90年代にソニーの携帯電話でジョグダイヤルが確かに話題になった。
   97年に発明が固まっている。

2.特許3852854号について
  ・特開平11-194872分割出願である特開2005-133824は出願後自発補正で、
   【0035】が補正されている。おそらく本人の発案による補正。
   神山弁護士もこの補正後の記載と図21に着目して依頼を引き受けている
   ので興味深い。実務上はあまり明細書の補正は行わない。
  ・当初の発明は代表図を見ても趣旨が
  ・初期のAppleは特許についてはあまり関心が無かった可能性がある。
  ・TVでは個人発明家だから、扱いが違ったのではないか
  ・日本の企業は個人発明家からの提案はマニュアルがあって対応している。
   ビジネスを行っていない(ことが多い)個人発明家は、金銭的な問題に
   なるために慎重な対応が必要なことは認識していると思われる。
  ・メーカー以外はは売り込みがあると面会している様子。
  ・出願としてみると、1件にたくさんのアイデアが詰め込まれている。
   セルフブレストでアイデアを思いつき、それに関連する図面をきちんと
   記載している齋藤氏は発明者として素晴らしい。
  ・齋藤氏は先行技術を自分で調査をしていないが、企業でもアイデア提案
   をする際に先行技術調査を行わないところもある(日常的に特許等に
   触れている前提で)。
  ・上山弁護士・弁理士は公報に記載された代理人は弁理士として掲載されて
   いるのに何か意図があるのだろうか?
  ・3.3億円は少なかった?多かったの議論。1件で3.3億円は大きいと思える
   がiPodの売上を考えれば安い?
   一般的な電機業界のライセンスとしては高いのでは?

3.個人発明家の特許の活用等について
  ・元特許庁長官の荒井氏は個人発明家とメーカーのWin-Winを提案している
   が、企業側の実態を考えていない。
  ・個人発明家にも行動が必要。特許事務所には、ビジネス提案を特許化
   したいという提案が多く持ち込まれる。
  ・地方には補助金ビジネスモデルがあり、特許出願を行って、それを
   ベースにビジネスを行って補助金を受け取って会社を回しているよう
   な人もいる。
  ・発明家としての資質と、特許の活用をする人の資質は一般的には異なる。
   これを両方やっている齋藤氏はすごい。
  ・企業の未利用知財活用としては、例えば川崎モデルがあるが、これは
   企業OBなどが特許を一ひねりして提案しているため、受け入れられている。
  ・日本企業がライセンス拒否した案件でも、韓国企業はライセンスを受ける
   柔軟性があるような事例もある。
  ・専用実施権の活用が書かれているが、実際には専用実施権を取得したい
   という意思が大企業側には無いのではないか。後知恵っぽい。



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