第35回読書会レポート (08/24)

第35回読書会議事録
日時  :2016年8月24日19:00-21:00
場所  :人形町区民館
課題図書:論文: 岡田吉美et al.「失われた20年」に日本企業が取得した特許の価値の検証 一橋ビジネスレビュー 2016 Spring (63巻4号) P72-91
参加者 ::@tparkmさん(発表)、@amuletさん、@sanukiya1さん、@kurumiusausaさん、@ama_sci

議論の抜粋

・クレームが年々長くなるのはなぜか。→改良発明が多いので、既出の構造を説明してから発明要素に入るので必然的に長くなる。

・会社、業界によって、クレームの長さ、従属項の作り方は違う。外国出願の場合、その国の法制に合わせるので、変えざる得ない。

・ドイツと日本の居住者の特許のクレーム長さの時価変化は大きく、増加の一途をたどっている。→これは言語の構造上の問題ではないか、まだ読書会では未解決。

・「クレーム長さの自然対数」と「その頻度」、および「(出願人前方引用数+1)の自然対数」を示した表を参照。
→クレーム長さは当該特許の前方引用数に対して平均的にはあまり影響を与えないが、クレーム長さが短い発明の前方引用数は、長いものに対して分散が大きくなっている。

・20世紀までは日本でも画期的な発明がなされていた。
ウォークマン、デジタルカメラ、液晶テレビなど

・近年は高度な技術で開発されるものが少ない。
iPod,iPhone、ポケモンGoなど、いずれも日本発ではない

・液晶など日本の得意分野も他のアジア企業に機会を奪われている。

・そもそも論として他の国々の方が、人件費が安かったり、税制優遇処置がとられていたり、起業する条件が日本に比べ各段に優位であることは見逃せない。

・日本では(アップルのような)ベンチャーが育ちにくい。

・日本でも企業買収が行われているが、まだ慣れていない(高く買いすぎているのではないか)。

・非特許文献は何か指標になるのか→非特許文献をよく使う分野がある、そこでは価値を見出すことができるだろう。米国などは非特許文献が多いが日本はまだ少ないという現状がある。

・そもそも引用特許文献は的確に選ばれているのか
→自社特許を避けてストーリー性を持って引用している場合がある。
→競業他社を引用して、自社発明の優位性を証明?している場合もある。
→改良発明であることを示すためにあえて自社特許を引用している場合もある(→発明者にちゃんと訊かない(知財部で調べない)とすでに出願した発明と同じものを提案することがある)。
→知財部で適当に検索して引用している場合もある。いずれにしろ、引用文献を記載することを義務付けられたのは2001年からなので、まだ慣れていないのだろう。

・引用特許文献は意味があるのか、ということになると、特許公開公報自体意味があるのか、ということにもなりかねない。そもそも出願明細書は外注している場合が多く、レベルも様々である。公開された公文書という認識さえあれば、引用特許文献にも意味はあり、その特許文献を評価する指標と成り得ると考えた方が妥当ではないか




20160824
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