第4回読書会レポート

読書会事務局の@akikokaです。

1週間ちょっと前に第4回読書会を開催しました。そのときのレポートを@minotsu_tymさんが書いてくださったので、掲載します。

日時:2011年10月23日(日)13:30~15:30
場所:新宿 ルノアール会議室
課題図書:『御社の特許戦略がダメな理由』(第5章)
発表者:@princeduckchanさん
参加者:7名(@furyoshainさん、yngさん、@akikokaさん、 @szkmtkさん、@0526Yukkoさん、@Parade_82さん、@minotsu_tym(議事録))

 第5章は特許戦略会議の具体的事例の紹介であり、今回も「もし自社で特許戦略会議を行うとしたら」という視点で意見が交換されました。
 特許戦略の目的とは、著者が繰り返して述べているように「会社の利益の最大化」です。しかし、企業の規模によっては単純に「会社の利益(全社レベル)」と割り切れるわけではなく、「事業部の利益(事業部レベル)」も考慮し、他にも様々な要因を検討していって、自社の目指すべき「会社の利益の最大化」を考えていく必要があるのでは、という議論がされました。
 議論は、特許の質について話題となり、開発部門、事業部に課される「ノルマとしての特許出願件数」との関係について意見が交換されました。
 一見、相反する「質」と「出願件数ノルマ」ですが、一定量の出願があってはじめて質の良い特許が生まれるという側面もあり、またクロスライセンスという場面においては「数」が有力な武器ともなるという意見が出されました。
 発明者の観点からは、開発部員が特許を書くことの弊害について意見が出されました。つまり、技術的には重要でなくても、開発部員が明細書を書いて特許出願件数をかせぐことにより対外的には仕事をしているように見えて、評価されてしまうことになる、という点です。これでは開発部門内で不公平感が生じるということです。
 このような弊害を無くするためには、知財部が開発ミーティングに参加することが一つの解決法ではないかとの意見が出されました。個人的には、発明者から出される発明が部門長や知財によりチェックされ、公平性を保ち、 特許出願について健全な競争関係が形成されるような仕組み作りや配慮が必要だと感じました。
 一方、開発部員にノルマを課すことが、社内の特許出願を活性化させることもあるとの意見がありました。例えば、開発部員は、今年度一人一件の出願を目標とする等の試みです。これにより埋もれていた技術が有力な特許になる可能性もありますし、開発部員に対する知財教育として役立つこともあるということです。そもそも開発部員に特許出願ノルマを課すことは、このような啓蒙的意味合いもあったということでした。

 次に議題は、「特許戦略(他社の排除)により事業利益を最大化することが、特許戦略会議の共通認識になれば大きな力になる」という著者の意見を受け、それでは「特許戦略会議を行うにあたっての下地作りが必要ではないか?」ということについて意見が交換されました。
 一つの意見として「知財と開発の共存」という議論がなされました。ビジネス的に強力、つまり他社の参入の障壁となるような特許ははじめから存在しない。知財と開発が、会社の利益のために、発明に対して建設的な批判、逆提案を行い、相互に問題解決していこうとしていく関係作りを目指すべきではないか、ということです。
 もちろん、事業部や営業の活きた情報を踏まえることで、さらに開発や知財の意見が膨らめば理想的との意見がありました。
 個人的に、一知財部員として、「強い特許、排他力のある特許とは?」ということについて開発部門と活発な意見交換をしながら、良好な関係を築くことが、特許戦略会議の下地作りの一助になるのではないかと思いました。
 最後に顧客への権利行使や、実際にライバル企業を特許によって排除することについて話題となりましたが、現実問題として難しい面があるということでした。
 第5回は、発表者のprinceduckchanさんの的確な問題提起や、発明者側というお立場から参加頂いたYさんにより、活発な意見交換ができ、非常に有意義な読書会になったと思います。
以上

@minotsu_tymさん、
詳細なレポートをありがとうございました。

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第4回読書会の開催予定

読書会事務局の@akikokaです。

以下のとおり、第4回読書会を開催する予定です。

日時:2011年10月23日(日)13:30〜15:30
場所:新宿 ルノアール会議室
課題図書:『御社の特許戦略がダメな理由』(第5章)
御社の特許戦略がダメな理由御社の特許戦略がダメな理由
(2010/03/24)
長谷川 曉司

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発表者:@princeduckchanさん
参加予定人数:7名(10/2現在)


第3回読書会で発表した感想

読書会事務局の@akikokaです。

読書会は、毎回、参加者が持ち回りで発表者を担当しています。第3回読書会では、私が発表を担当しました。発表して感じたことをを綴ってみます。

1.勉強になる
発表者は、課題図書の対象範囲を精読することが要求されます。自分の言葉で説明できる程度に、課題図書の内容を理解しなければなりません。こうして、アウトプットを前提に課題図書を読むと、ただ漫然と読書するときとは違った視点で読むことができ、より深く課題図書を理解できたように思います。

2.参加者から情報収集できる
発表者の醍醐味は、読書会の議論を自分の興味のある方向に振り向けることができることです。(やりすぎると他の参加者から不興を買いますが)
『御社の特許戦略がダメな理由』では、ひたすら三位一体会議(事業部、研究開発、知財が出席し、特定事業の特許戦略を具体的に検討する会議)の重要性を解いています。ところが、私の知る限り、弊社で三位一体会議は開催されていません。そのために、他社さんで三位一体会議が開催されているのかどうか、開催されているとしたらどのような内容なのか、とても興味がありました。
そこで、読書会の中で、参加メンバーが所属する会社の様子を聞いてみました。その結果、比較的小規模な会社では、三位一体会議に類する会議が開催されているようでした。一方、大規模な会社では、開発と知財の距離が遠く、三位一体会議は不在のようでした。読書会の参加者は7名だったので、少ない母集団の中ではありますが、なんとなく傾向が見えて参考になりました。

ということで、読書会に参加して、発表してみることをおすすめします。発表者になるとそれなりに準備時間が必要となり、ただ参加するよりは大変かもしれません。でも、それ以上に得る物は大きいかと思います。

第3回読書会レポート

読書会事務局の@akikokaです。

先月、第3回読書会を開催しました。そのレポートを@princeduckchanさんが作ってくださいましたので、掲載します。

第3回読書会の概要について、以下の通りご報告します。

日時:2011年9月25日(日)14:00~16:00
場所:池袋 ルノアール会議室
課題図書:『御社の特許戦略がダメな理由』(第3章~第4章)
発表者:@akikokaさん
参加者:6名(@furyoshainさん、@ama_sciさん、@rienovaさん、@minotsu_tymさん、@szkmtkさん、@princeduckchan

akikokaさんに作成頂いた資料(WORD)に基づき、第3章~第4章を読み進めました。自身で読んでいる中で疑問に思っていた「本書で繰り返し出てくる『三位一体の会議』とは具体的に一体どのような会議なのか、どのように行うべきか」について、自分の前職とは規模、業種の異なる企業の取り組み方を知ることができたのはとても有意義でした。

個人的には、知財予算のお話(「知財予算を事業部毎に持つのか、本部が一括で持つのか」は、一概にどちらが良いというものではなく、会社のカラーによって異なる)が印象に残りました。
またakikokaさんの発表の進め方(区切りのいいところで各参加者の意見を聞く)も大変参考になりました。

課題図書の選定(第1回〜第4回読書会)

読書会事務局の@akikokaです。

読書会では、参加メンバーの希望により課題図書を選択しています。読書会発足時に、@furyoshainさんから以下の提案がありました。

皆さんにご案内したように、課題図書はあまり難しいものを選ばないようにしようと思っています。難しいのとは、例えば特許制度の経済的効果といったように、かなり事前の知識が必要なものです。とは言え、皆さんのリクエストがあれば、難しい課題図書でも問題ありません。

私が今回の読書会で考えているのは、日々の知財業務を行っている中で、課題図書を通じて色々な気付きや悩み相談ができればいい、ということです。従って、日々の知財業務から外れた課題図書を選定してしまうと、単なる勉強になってしまい、それはそれで面白いのですが、話が発展せずに終わってしまうデメリットがあります。

自分が今考えている課題図書候補は次のものです。

「御社の知財戦略がダメな理由」
御社の特許戦略がダメな理由御社の特許戦略がダメな理由
(2010/03/24)
長谷川 曉司

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当たり前のことが書いてあるのですが、なかなか反響がいいようです。ただ、内容がかなり化学系の実務を前提としているので、機械・電気系だと「それは違うよね」というところもあります。その辺りの議論は面白いですね。

「マイクロソフトを変革した知財戦略」
マイクロソフトを変革した知財戦略マイクロソフトを変革した知財戦略
(2010/08)
マーシャル フェルプス、デビット クライン 他

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今度は逆にIT系の知財実務にかなり偏った内容になっています。とは言え、MSの知財戦略の方針転換をしたフェルプス氏の生々しい証言は非常に参考になります。

「経営に効く7つの知財力」
経営に効く7つの知財力経営に効く7つの知財力
(2010/09)
土生 哲也

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著者の土生さんにこの間お聞きしたら、全然売れていないそうです。私は面白い本だと思っているのですが…。多分に、この本は非常に簡明に書いてあるのですが、その裏にものすごい経験と努力があって、それを読み解くのが結構大変です。

この中では『御社の知財戦略がダメな理由』が参加メンバーに人気だったので、第1回〜第4回読書会の課題図書は『御社の知財戦略がダメな理由』に決定しました。

ちなみに、個人的には、上記のfuryoshainさんの文章の「私が今回の読書会で考えているのは、日々の知財業務を行っている中で、課題図書を通じて色々な気付きや悩み相談ができればいい、ということです。」という部分にグッと来ます。これは、私が読書会に参加している主目的だったりします。


読書会の具体的な進め方

読書会事務局の@akikokaです。

このブログを見て、読書会をどのように進めているのか、疑問を持たれる方がいるかもしれません。そこで、読書会発足時に、読書会メンバーに向けて@furyoshainさんが書いた文章をご紹介します。これで、読書会のイメージを掴んでもらえるでしょうか?


① 事前準備
読書会の開催前に、参加者で協議して課題図書を決定します。課題図書のボリュームにもよりますが、この課題図書を数回に分けて輪読します。
輪読するのですから、各回毎にチューターを指定します。チューターは、当日発表の準備として、担当部分の課題図書を精読することに加えて、参加者向けのレジュメ(要約)を作成し、また、必要であれば、課題図書の担当部分に関連する書籍等で学習をします。

② 当日
担当チューターは、当日、レジュメを人数分用意し、このレジュメ及び課題図書に従って、担当部分の発表を行います。時間は1時間以内がいいと思っています。
その後、参加者で座談会的に意見交換をする時間を持ちたいと思っています。このためには、チューター以外の参加者も課題図書の担当部分を事前に読んでいていただくといいのですが、時間がない場合には強制しません。

知財系書籍読書会について

読書会事務局の@akikokaです。

知財系書籍読書会は、@furyoshainさんが、twitter上で参加者を募って発足した会です。その名前のとおり、知財関連の書籍を参加者が持ち回りで輪読するもので、月1回のペースで開催しています。

2011年6月に開催した第1回読書会を皮切りに、現時点で3回の読書会を開催しています。参加人数は各回4名〜8名程度です。現在の参加メンバーは、特許事務所や企業にて、特許の実務に携わっている方々が中心です。

発起人の@furyoshainさんに、読書会の目的などをご寄稿いただきました。


読書会開催のきっかけ

私は発起人というほどの偉そうなものではありませんが、一応の経緯を知っているのでお話をします。

今から10年近く前に、気になる知財系原書(英語)がありながら和訳がその当時出版されていなかったので、これを輪読してあわよくば翻訳権を得てしまおうという結構不純な動機で読書会を始めたところ、なかなか参考になった経験がありました。ここ数年、知財系書籍でかなり優れた書籍が数多く発刊されるに至りつつも、通常の業務をこなしていると読む時間もなく、また、読書した感想を共有する機会はさらにないことに気付き、それでは、読書会を久しぶりに再開しようと考え、心当たりの方にお声がけし、結構小規模ながら開催にこぎ着けて現在に至っています。

どんな人に読書会に参加してもらいたいか
現在の参加者は、知財系twitter-erの方々に私がお声がけをした関係で、何らかの形で知的財産に業務上関係のある方々ばかりです。議論の内容も、知的財産実務の詳細な内容や知的財産管理の手法にまで展開されることもあります。従って、基本的にはこのような議論に好奇心を持っていただける方がよろしいのではないかと思っています。

とは言え、知的財産実務に関する深い知識や経験を必須条件にするつもりは毛頭ありません(それを必須条件にしたら、まず私が参加できません)。知財系書籍の内容をネタに、知的財産を中心にした雑談に継続して興味を持っていただける方にご参加いただけると大変嬉しいです。

読書会のブログを始めました

読書会事務局の@akikokaです。最近読書会についてお問い合わせいただくことが多くなったので、読書会に関するブログを開設することにしました。

これから読書会の開催告知、開催後のレポートを掲載して行く予定です。気がむいたら、読書会のメンバー紹介なども掲載するかもしれません。

当分の間、ブログの更新は私、akikokaが担当するつもりでいます。でも、徐々に他のメンバーにも寄稿や投稿をお願いしていくかもしれません。